(1)合格基準
@ 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、満点の50パーセント以上である者。
A 行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、満点の40パーセント以上である者。
B 試験全体の得点が、満点の60パーセント以上である者。
平成17年度試験では満点の6割で合格でした。140点満点の6割、84点が合格点です。毎年、試験研究センターより、合否判定基準が発表になっていますが、平成12年度以降同様でした。
(1)一般知識14問中6問正解しないと、基準点(足切)で不合格となる。
(2)法令科目は5割以上の得点が必要であり、記述式の配点が不明であるが、記述式の難易度が合否に大きく影響する。
平成18年度試験の改正について
平成18年度より、行政書士試験制度が改正になります。法令科目では、今まで比較的簡単だった、行政書士法や戸籍法などが除外される一方、出題数は6問増えます。ただ、これらの法令等は一般知識等として出題される可能性があります。そして、一般知識等では数学などの自然科学と漢字がなくなり、出題数も14問と少なくなった。
特に、試験時間は3時間に延長になることにより、出題内容がより難しくなると考える。
平成18年度試験に向けて(17年度試験を振り返って)
1.総評
平成17年度試験の合格率は、2.6%だった。
平成17年度試験は、「とにかく記述式が難しすぎたと言える。法令等・択一式は、個数問題や組合せ問題が多く、多少難しめでした。しかし、一般教養の難易度が前年度に比べやさしめだったので、今年度は一般教養の基準点(一般教養20問中10問正解)をクリアーできた受験生は多かったでしょう。ただ、記述式の配点は1問6点と択一式の3倍であり、記述式の不足点数を択一でカバーするのはたいへんです。結果として今年度は、「一般教養の基準点をクリアーできたが、法令等・記述式の不足点数をカバーできず合格点に達しなかった」受験生が多かったものと推測できる。
2.法令等・択一式について
法令択一は、前年度より難しくなったと考える。平成15年度並みになったとも言えます。個数問題が前年度は2問でしたが、17年度は8問(平成15年度は13問)と増加しました。一方、法律別の出題数で、民法が1問増加し、行政書士法が1問減少しました。この増減は問題の難易度に多少影響したと思われます。
3.法令等・記述式
法令記述は、全体的にすごく難しい問題だった。法律の条文に出てくる法令用語は問題39の地方自治法だけであり、30点満点中、半分得点できた受験生は少なかったでしょう。記述式でこれだけ得点できないと、これで合否は決まったも同然だったと思われます。
4.一般教養について
レベル的には平年並みと考える。その中でも、漢字などの個数問題だけは難しかったかも知れません。しかし、文章読解は素直な問題が多かったようです。また、毎年感じるのですが、数学の得意(好きな)受験生の優位性です。今年度の数学の問題59、60は、簡単だと感じる受験生と難しいと感じる受験生が極端だったでしょう。数学が得意な受験生は、確実に2問正解でき、残り18中8問正解すれば基準点をクリアーできます。反対に数学が苦手な受験生は、18中10問正解しないと基準点をクリアーできません。しかし今年度は、数学を苦手とする受験生であっても、コツコツ勉強した受験生は一般教養の基準点はクリアーできたろうと推測します。12〜14問正解の受験生でも、記述式の不足点数までは厳しかったかも知れません。
5.今年度の試験に向けて
上記のように、平成17年度試験は総合的には厳しいものでした。今後更に厳しい試験となることは間違いなさそうです。
そこで、今回初めて行政書士試験を受験される方に、次のようなアドバイスをします。
(1)試験科目が変更される今後も、一般知識等の基準点は継続になるものと予想します。よって、一般知識等の基準点クリアーを最優先させてください。一般知識等の基準点で不合格となる受験生が最も多いからです。文章理解等、中学・高校時代に勉強したことを思い出すと共に、日経新聞や時事用語集をチェックし続けるしかありません。一般知識等は力が付くまで時間が掛かりますが、対策を講じないと何ら力は付きません。そして、一般知識等の基準点をクリアーしなければ、法令科目をいくら勉強しても意味がないのです。とにかく日々の努力が必要です。
(2)法令科目については、やはり過去問と条文、判例です。今まで出題された条文とその前後の条文を確認します。また、テキスト等に出てきた条文や判例を何回も読むこと。また、条文や判例を読む際は「この用語は記述式に出そうだ」などと考えながら確認してください。
(3)法令科目のうち、多くの受験生が苦手にするのは行政法(地方自治法を含む)です。何故なら範囲が広くイメージしづらいからです。一方で、法令科目のうち一番出題数が多いのも行政法です。よって、法令科目で一番力を入れるべきなのは行政法です。行政書士になるための試験が行政書士試験であって、行政書士の主要業務の一つが行政機関への許認可申請です。許認可申請での前提となる基礎知識が行政法だからです。
行政法が得意になればかなり優位になると思われますのでしっかり勉強しましょう。